(2年目MR)
こんな疑問にお答えします。
本記事の内容
- MRがDrの「社内勉強会」をやる意味【成果が出る3つの理由】
- MRの社内勉強会「事前準備から打診まで」【7STEPマニュアル】
現役MRのきすけです!
新人のころ、エリア講演会と並んでアレルギーだったのが、「Drの社内勉強会」
(会社によって、社内研修会、外来講師勉強会、社内レクチャー、呼び名はさまざまです。)
下記Tweetをご覧ください。
″Drの社員向け勉強会″を
やった事がなかった2年目の時の心境「そもそもやる意味がわからん」
「どんなメリットがあるんだろ」
「ていうか、頼むの怖すぎる」
「頼み方も全然分からん」
「慰労会緊張しすぎる…」
「毎年お願いしている開業医の〇〇先生は
いけそうだけど、病院の先生とか絶対ムリ」— 外資製薬MR / きすけ (@Kisuke_MR_nomad) September 26, 2022
″Drの社員向け勉強会″を
やった事がなかった2年目の時の心境
「そもそもやる意味がわからん」
「どんなメリットがあるんだろ」
「ていうか、頼むの怖すぎる」
「頼み方も全然分からん」
「慰労会緊張しすぎる…」
「毎年お願いしている開業医の〇〇先生は
いけそうだけど、病院の先生とか絶対ムリ」
上記のとおり
ぼくも入社5〜6年目くらいまで「社内勉強会」は大の苦手でした。
しかし、その後克服し、これまで、40回を超える社内勉強会を経験。(うち慰労会は25回程度) 今ではわりと得意な仕事になりました。
そこで今回は、「Drの社内勉強会の打診から慰労会まで」の手順や、ポイントなどを細かく解説させていただきます。
ちょっと長くなりそうなので、”前編”と”後編”に分けさせていただきますね。
【前編】
・社内勉強会をやる意味
・当日までの段取り
【後編】
・当日の運営
・慰労会の段取りとオススメの質問
※世の中、わたしなどより優秀なMRの方はたくさんいらっしゃるので、正直レベルは高くないです。ただ、人一倍苦手だった分、「試行錯誤」と「改善」を繰り返してきた自負はあります。社内のルールも十分にご確認のうえ、ご活用ください。
MRがDrの「社内勉強会」をやる意味
具体的な段取りや手順の前に、
まだ経験が少ない方では、こんな疑問や不安をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
「そもそも、Drに社内で講演してもらって何の意味があるんだろう…」
「なんか、頼むの申し訳ない…」
そんな方向けに、まずは、「社内勉強会をやる意味やメリット」について解説します。(というのも、ぼく自身、この辺が全然わかっていませんでした。)
※「意味とかメリットはわかっている。早く手順が知りたい!」という方は、次の章へお進みください。>> MRの社内勉強会「事前準備から打診まで」【7STEPマニュアル】
社内勉強会をやる意味とメリット
“MRがDrの社内勉強会をやる意味”は以下
MRが社内勉強会をやる意味
ばっちり成果につながるから。
上記のとおり
例えば、
社内勉強会を実施したらこんなことが起きます。
- 苦戦していた新薬が採用になった。
- 処方が倍増して、
シェアがひっくり返った。 - 面会不可先で、
アポイント取り放題になった。
これは自身の経験だけではなく、社内の他のMRでもそうしたケースを多く見てきました。
「なぜ、社内勉強会をやると、成果があがるのか?」
ここを理解しておくことはわりと大切なので、次の章でじっくりと掘り下げていきます。
MRの「社内勉強会」【成果につながる3つの理由】
なぜ社内勉強会をすると成果につながるのか?
理由は3つです。
成果につながる「3つの理由」
理由①:距離が近づくから
理由②:気付きをもってもらえるから
理由③:返報性がはたらくから
上記のとおり
それぞれ解説します。
理由①:距離が近づくから
Drから承諾をもらい、社内勉強会の開催が決定すると、「場所や時間の相談」、「内容のすり合わせ」など、要件がいくつもあるので、何度も面会できるきっかけになります。
Drと何度も会うことで、当然、距離は近づきます。
距離が近づく方が、営業がうまくいくことは、あなたもよくご存知のはず。
理由②:気付きをもってもらえる
社内勉強会の多くは、
「今1番使ってもらいたい薬剤」や「それに関連する疾患」をテーマに講演していただくことが多いです。
なので、
Drは、社内勉強会をきっかけに、
- 製品について調べ直してくれたり、
- 症例データをまとめてくれたり
薬剤とじっくり向かい合ってくれるとても良い機会となります。
また、講演後の“質疑”の際には、社員から効果的な質問をDrへ投げかけることによって、“新たな気付き”を持っていただくこともあります。
理由③:返報性がはたらくから
Drによっては、この社内勉強会を恩義に感じていただき“返報性”がはたらくケースもあります。
以下は実際にDrからいただいた”声”です。
「社員さんからたくさん質問をいただいて、こちらがかえって気づきをもらいました。」(40代/開業医)
「おかげで、データをまとめる良い機会になりました。ありがとうございました。」(40代/病院・部長)
「貴重な機会をいただきありがとうございました。慰労会もめちゃくちゃ楽しかったです♪」(20代/大学・助教)
あと、謝礼もお支払するので、そのことに対して恩を感じて下さる律儀なDrもいらっしゃいます。
いかがでしょうか。
「社内勉強会をやる意味」に関しては、なんとなくイメージいただけましたか?
ここでいったん内容を振り返ります。
社内勉強会をやる意味
ばっちり成果につながるから。
社内勉強会をやると成果につながる3つの理由
理由①:距離が近づくから
理由②:気付きをもってもらえるから
理由③:返報性がはたらくから
社内勉強会、その他のメリット
- 社内的にも活動として評価される
- 「自信」と「経験」が身につく
- 病院Drの場合、施設や他Drの
“攻略法”を教えてもらえたりすることも
上記のとおり
次の章では、具体的な「段取りの手順について”7STEP”」で解説させていただきます。
MRの社内勉強会「事前準備から打診まで」【7STEPマニュアル】
ここからが、本記事の”本題”です。
MRが実施する、
「社内勉強会」当日までの段取り手順は以下
「7STEPマニュアル」 MRの社内勉強会の段取り
①:依頼テーマを決める
②:候補日を決める
③:会場と慰労会の候補を考えておく
④:依頼用の資料を作る
⑤:打診
⑥:会場とお店の予約
⑦:社内連絡
上記のとおり
STEP①:依頼テーマを決める
依頼するとき、「何でもいいから話してください。」では、Drも困惑してしまいます。なので、まずは、Drに何を講演していただくか、テーマを決めます。
※ガチガチのスライドレビューがある講演会とは異なり、比較的、自由にお話しいただけるのは社内勉強会の良いところです。
ここは具体例をお示ししますね。
「依頼テーマのパターン」としてはこんな感じです。
(※過去、実際にDrへ打診したテーマです。) 依頼テーマの具体例
・〇〇(疾患)に関する診断と治療について
・最近のご研究(薬剤テーマと絡めて)について
・新しいガイドラインの改定ポイントについて
・疾患と薬剤の歴史について
・〇〇(疾患)治療で、ご留意されていること
・〇〇(薬剤)について、今後期待すること
・〇〇(薬剤)の適応例に関して
・〇〇製剤の使い分けに対するお考え
・〇〇(疾患)の医療連携で意識されていること
・〇〇学会の今後のご展望について
・コロナ禍でMRに期待すること、等
上記のとおり
ちなみに、依頼テーマは1つだけではなく、「2〜3つ」依頼することが多いです。
この辺は、きっとあなたの上司や先輩も色々と引き出しをお持ちかと思いますので、ぜひ相談してみてください。
STEP①:「依頼テーマ」を決める
STEP②:候補日を決める
打診テーマが決まったら“候補日”を決めましょう。
候補日を決めるときのポイントは以下
候補日を決めるときのポイント
- 営業所の他の予定がある日は避ける(会議や講演会など)
- Drの都合のつきやすい”曜日”などもあらかじめ調べておく
候補日は、少なくとも、“3日間”くらい設定するのが、Drにも親切です。
よくある質問
個人的には、この段階で、候補日を共有するようにしています。(所長や共同担当者はもちろん、営業所全員だと、より丁寧です。)
日程共有しておかないと、「他のMRのエリア講演会と日程がブッキングしてしまった…」ということも起こり得ます。
ひと手間ですが、丁寧な段取りは、あらゆるリスクを軽減します。
STEP②:「候補日」を決める
STEP③:「会場仮予約」と「慰労会の候補のお店」
依頼するテーマと、候補日が決まったら、
「会場仮予約」と「慰労会のお店の候補」を考えます。
もしかすると、Drに打診する前に、「そこまで考える必要ある?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、エリアによっては、候補会場が1つ、2つと限られるところもあります。(※田舎はとくに注意)
なので、いざ日程が確定したのに、「会場がない!」なんてことが起こらないように、あらかじめ候補日の会場仮予約を済ませておくことで、2度手間を防げます。
また、慰労会のお店も候補のお店を2〜3軒決めておくと、話が進みやすいです。
というのも、いざ打診すると、Drから「慰労会のお店はお任せします。」や「どこかオススメある?」と聞かれることも多いため。
出来る段取りは、
すべて先に済ませておきましょう。
慰労会のお店は、勉強会終了後パッと移動できるように、”講演候補会場から近いお店”を選ぶのがポイントです。
※慰労会のお店選びや当日のことは「後編」でご紹介します。
STEP③:「会場仮予約」と「慰労会のお店候補選び」
STEP④:依頼用の資料を作る
STEP④では、
「Drに依頼するための資料」を作ります。
「口頭じゃだめなの?」と思われたかも知れませんが、口頭でも出来なくはありません。
しかし、A4の資料1枚でも作ってから面談することで、
- Drにもパッと内容をわかってもらいやすく、
- こちらの”本気度”を伝えることができます。
依頼資料に記載する項目は以下です。
Drへの依頼資料に記載すること
- タイトル
(〇〇先生社内勉強会、等) - 候補日時
- 開催予定場所(〇〇市内ホテル等)
- 開催形式(WEB・集合等)
- ご依頼のテーマ
上記のとおり
STEP④:依頼資料を作る
STEP⑤:打診
ここまで準備できたら、いよいよDrへの「打診」に移ります。(※打診→依頼すること)
なかなか大変な段取りだったと思いますが、準備はバッチリなので、自信を持って打診しましょう。
よくある質問
メールで打診するのは失礼ですか?
やはり営業としては、お会いして直接ご依頼したいところですね。
しかし、訪問規制などで、直接打診が難しい場合は、メールで打診するのもOKです。(実際、ぼくもこうしたDrには、よくメールで打診しています。)
その際は、文面に、下記のような、“メールで打診することに対するお詫び”を含めることが礼儀として大切です。
例文)
「本来、直接ご依頼(ご相談)すべきところ、メールでのお伺いとなり(恐れ入ります)、あるいは、(申し訳ございません)」等
STEP⑤:Drに打診する。(状況によってはメールでの打診もOK!)
STEP⑥:会場とお店の予約
Drから日程をいただき、会場と慰労会のお店が決まったら、それぞれ“本予約”します。
言わずもがな、予約の際は、会場の担当者や、お店の方とのやり取りは「可能なかぎり文字に残しましょう」(言った言わない問題を防ぐため)
ホテルなどでは”メール”で、
お店の方とは、”iPhoneのメッセージ”でやりとりすることも多いです。
STEP⑥:会場とお店を予約する。(やり取りは文字に残す。)
STEP⑦:社内連絡
これが、最後の段取りとなります。
営業所メンバーに”案内メール”を送りましょう。
メールに記載すること
- タイトル
- 日時
- 場所
- Web開催ならURL
- Drの紹介
- ご講演テーマ、課題、等
最近はスケジュール管理も、”デジタル化”が進みましたよね。
なので、Googleカレンダーや、Outlookなどの予定表に書き込んで、招待を送るのもスマートです。
STEP⑦:営業所メンバーへ、確定の「社内連絡をする」
社内勉強会が響くDrとは?
せっかくやるなら、
響くDr=”成果が期待できるDr”
に実施したいところですよね。
「では、どんなDrが響くのでしょうか?」
主観ですが、経験上、以下のDrには社内勉強会の効果が大きいです。
社内勉強会が響くDr
- 他社で受けていないDr
- 義理堅いDr
上記のとおり
この辺を見極めるためには、情報収集と経験も必要になります。あとは、”前任”や”卸さん”から情報を集めてみるのも有効です。
しかし、これは「中級編」なので、深く考えすぎず、まずは”一度経験”してみることをオススメします。
まとめ:「MRが社内勉強会をやる意味」「当日までの段取り7STEP」
今回の記事では、「MRが社内勉強会をやる意味」、「当日までの段取りを7STEP」で解説させていただきました。
最後に、内容を振り返ります。
MRが社内勉強会をやる意味
ばっちり成果につながるから。
社内勉強会をやると成果につながる3つの理由
理由①:距離が近づくから
理由②:気付きをもってもらえるから
理由③:返報性がはたらくから
当日までの段取りとしては以下
「MRマニュアル7STEP」 社内勉強会の段取り
①:依頼テーマを決める
②:候補日を決める
③:会場と慰労会の候補を考えておく
④:依頼用の資料を作る
⑤:打診
⑥:会場とお店の予約
⑦:社内連絡
色々と段取りは大変ですが、やったあとの”達成感”や”学び”も大きいです。
そして何より、遅かれ早かれ、”成果”につながることが期待できます。
勇気のいることですが、チャンスがあれば、ぜひトライすることをオススメします。
※後編では、「当日の運営ポイント」「慰労会」について紹介させていただきます。