こんにちは、現役MRのきすけです。
この記事を書いているぼくは現役の外資系MR。色々大変なこともありましたが、今も楽しくMRを続けています。
きっとこの記事を開いてくださった方は、「MRに興味を持たれている方」や、「MR1年目の方」かと思います。
すでに内定をもらった方や、MRとしてのスタートを切った方におかれましては、
まずは、本当におめでとうございます!
ようこそMRの世界へ
この記事では、
「転職して、CSOのMRとしてこれから働きます!」
という方や、
「新卒で製薬メーカーのMRとして仕事をスタートします!」
といった方へ向けて、
MR1年目につまづきやすいポイントや、つらい時期を乗り越えるコツについて、少し業界に長くいる筆者から、“おせっかいなプレゼント”として情報をお渡しさせていただきます。
なぜ、頼まれてもいない”おせっかいなプレゼント”を渡すかというと、
MRの新人(1年目)は、けっこう辛いからです。
ぼく自身も1年目がもっとも苦労しましたし、その後見てきた、多くの後輩たちも最初の1年目はみな口をそろえて「辛い…」と言います。
残念ながら理想と現実のギャップに絶えられず、辞めてしまった後輩も1人や2人ではありません。≫【MRを辞めた7人の男たち】MR退職後に進んだ道とは…【後悔】
きっとあなたなら、なんなく乗り越えられるとは思うのですが、つまづきやすいポイントをあらかじめ知っておくことで、心の準備も出来るかと思います。
これから長く続くMR生活の入り口として、本記事の内容がお役に立てると嬉しいです。
新人MRがつまづきやすい「4つのポイント」
それでは、さっそく”おせっかいなプレゼント”の全ぼうです。
MR1年目に辛さの原因となる、つまづきやすいポイントは以下4つです。
MR1年目「つまづきやすい4つのポイント」
- ①:知識不足で、話がついていけない
- ②:MSさんが冷たく卸に行きたくない
- ③:Drと何を話してよいかわからない
- ④:開業医は良いけど病院のDrが怖い
上記4つは、今も昔も変わらない不変的なつまづきポイントです。
こう言い切れるのも、ぼく自身もそうでしたし、これまで見てきた多くの後輩たち、そしてここ2〜3年で入社してきた新人MRや、異業種から転職してきたコントラクトMRの方も、みな口をそろえて、こう言うからです。
「MSさんが全然相手にしてくれません。」
「何からどうやって知識をつけたら良いのでしょうか…」
「Drといつもどんな話をしているのですか?」
「病院のDrって専門的なイメージで訪問するのが怖いです…」
少し驚かせてしまったかもしれませんが、ご安心下さい。
次の章から、それぞれの詳細と、乗り越えるための解決策についても、実体験ベースでお話させていただきます。
(まだ現場に出ていない方は、なかなかイメージがわかないと思いますので、また現場に出ていざ困ったときに本記事を読み返してみて下さい。)
新人MRは辛い①:知識不足で、話がついていけない
これは何となく覚悟されているかと思いますが、MRになりたてのころはほぼ間違いなく、知識不足に悩まされます。
それもそのはず、相手は医療のプロであるDrです。
日々、医療の最前線で診療しているDrに、最近現場デビューしたMRの知識が追いつかないのは当然の話しです。
会社でもある程度、勉強するための材料は用意されており、製品や疾患のことを学ぶことができますが、正直、それだけでは不十分です。
ぼくもMRになりたての新人のころは、ずいぶん知識不足に悩まされました。勉強しても勉強しても追いつかないといった感じです。
ちなみにぼくは文系卒ですが、薬学部卒の同期ですら最初はやはり同様に苦労したと聞きます。
MRって特殊な営業です。
何が特殊かと言うと、自分より詳しい人に、教える、営業する。というところです。
例えば、携帯のショップ店員を例に取ると、毎日来るお客さんは、「携帯に詳しくないおばちゃん」だったり、「iphoneを新機種にしたい若者」だったりしますよね。
「くわしい店員」が「知りたいお客さん」に教えながら営業するという構図です。
一方、MRは、自分より圧倒的に詳しいDrに営業するというちょっと異質な営業です。
このことが、知識不足をさらに浮きぼりにさせます。
効率よく知識をinputするコツについては、こちらのTweetもご参考ください。
MRが最も効率よく上質な知識を学ぶ方法は「良い演者のWebカンをじっくり見る事」だと思う
疾患、GL、薬物療法の変遷、Topic、関連薬に至るまで、たったの1時間で幅広い知識が得られる
加えて、自分じゃ逆立ちしても思いつかない様な、上品で、耳に残る”言い回し”にも出会える。見て学ばない手はない
— 外資製薬MR / きすけ (@Kisuke_MR_nomad) December 19, 2022
MRが最も効率よく上質な知識を学ぶ方法は「良い演者のWebカンをじっくり見る事」だと思う
疾患、GL、薬物療法の変遷、Topic、関連薬に至るまで、たったの1時間で幅広い知識が得られる
加えて、自分じゃ逆立ちしても思いつかない様な、上品で、耳に残る”言い回し”にも出会える。見て学ばない手はない
また、「自分が新人時代に戻ったらこう勉強する」という方法についても、こちらの記事にまとめています。よろしければ合わせてどうぞ。≫【簡単】MRになりたての”知識不足”をムリなく解消する3つのコツ
MR1年目は「知識不足」で苦労する。
新人MR辛い②:MSさんが冷たくて卸に行きたくない
MR1年目のつまづきやすいポイント2つ目は、MRさんが冷たくて卸に行きたくない。ということ。
「卸のMSってなに?」という方はこちらをご参照ください。
すでにOJT研修などで先輩MRと同行を経験された方ならご存知かと思いますが、MRは朝、卸さんに行くことが多いです。
もう、これがしんどい。なぜなら、MSさんも最初は冷たくて全然相手にしてくれないことが多いからです。
実際、ぼくもMRになりたてのころ、「MSさんに話しかけても無視されたり」、「なにかお願いをしても鼻で笑われること」がしょっちゅうありました。毎朝、鉛のような重たい気持ちで、車のエンジンをつけたことを思い出します。
MSさんは、医薬品の安定供給に加え、医薬品の「情報提供」と「販売」も担っています。
つまり、結局のところ営業なので、たくさん医薬品を売って自分のノルマを達成しなければなりません。当然、目標数字を達成するためには、仕事の出来るMRとタッグを組もうとします。
そうなると、「新人MR=使えない」となるので、最初はなかなか相手にしてもらえないのです。
そしてこの「MSさん冷たい問題」はどうやらぼくに限った話ではなく、MRになりたてのみんなが最初に通る道のようです。
新卒MR、転職してきたばかりのMR、皆さん口をそろえてこう言います。
「MSさんが冷たいです…」
「MSさんが相手にしてくれません…」
「卸さんに行きたくないです…」
そんな悩みに対して、「冷たいMSさんとの向き合い方」や「卸さんに行きたくなるヒント」についてこちらの記事で解説しています。卸さんで悩んだときはぜひご覧ください。≫【新人MR向け】「MSさんが冷たく卸に行きたくない」を解消する4つのヒント
MR1年目は、MSさんが冷たくてとにかく卸に行きたくない。
新人MR辛い③:Drと何を話してよいかわからない
3つ目のつまづきやすいポイントは、Drと何を話して良いかわからないということ。
異業種からの転職で”営業経験豊富な方”でしたらきっと話すネタも捻出できますが、新卒学生さんや営業経験の浅い方では、何を話したら良いかわからないといった悩みに遭遇すると思います。
新人MRの頃しんどかった事の一つが
”Drと何話して良いかわからん問題”ようやくクリニックの駐車場に着いたのに
「先週もこのパンフレット話したし、
どーせハイハイ秒殺だよな…やめよ。」情けない話、そのまま謎のドライブにくり出す事も多々ありました。
だから名刺出しただけですごいです🙆♂️
— 外資製薬MR / きすけ (@Kisuke_MR_nomad) August 24, 2022
新人MRの頃しんどかった事の一つが
”Drと何話して良いかわからん問題”
ようやくクリニックの駐車場に着いたのに
「先週もこのパンフレット話したし、
どーせハイハイ秒殺だよな…やめよ。」
情けない話、そのまま謎のドライブにくり出す事も多々ありました。
だから名刺出しただけですごいです。
Drと何を話したら良いかわからない理由は、2つあると考えます。
以下です。
Drと何を話したらよいかわからない理由
①:Drのことをよく知らない
②:引き出しが少ない
①:Drのことをよく知らない
担当して間もないと、Drの情報もわずかしかありません。
きっとこれはご想像のとおりかと思いますが、営業は、顧客の情報をたくさんもっているほど、会話も商談もスムーズにいくものです。
これは、”今日はじめて知り合った人”と”昔からの友人”では、会話の弾み方が違うことからも明らかです。
ぼくもMRになりたてのころは、製品のパンフレットを使って一生懸命に紹介するのですが、面会は秒殺。
「自分は営業センスがないのかも…」
「もう何を話してよいかわかんない…」
と肩を落としたものです。
それもこれも、Drをよく知らないことが原因でした。Drのことを知れば知るほど、ちょっとした雑談も出来ますし、Drの知りたい情報を提供することも出来るようになります。
②:引き出しが少ない
Drと何を話したらよいかわからない理由2つ目は、引き出しが少ないから。
具体的には以下です。
- ①:知識の引き出し
- ②:質問の引き出し
- ③:雑談の引き出し
これらの引き出しを増やすことによって、Drとの会話のネタにも困らなくなります。
「Drの情報はどう調べたらいい?」
「引き出しを増やす方法を知りたい。」
という方はこちらの記事で、Drと話すネタが次々に浮かぶ方法を解説しています。合わせてご参考下さい。≫【MR1年生向け】Drと話すネタが次々と浮かぶ方法を3STEPで解説
MR1年目はDrと話すネタがなくて辛い。
新人MR辛い④:開業医は良いけど病院のDrが怖い
最後4つ目のつまづきやすいポイントは、
開業医はいいけど、病院のDrが怖い。
という点です。
ぼくはこれを、病院恐怖症と呼んでいます。
つまり、開業医さん(個人医院やクリニック)は訪問しやすいけど、病院は怖いから訪問したくないということです。
恥ずかしい話、入社して3年間、病院が怖くてほぼいけませんでした。たまに行ってはいましたが、ビビって医局に突っ立ているだけで、全然仕事を進めることが出来ませんでした。
まだ、現場に出ていない方では、MRになっていざ病院に行くことを想像してみて下さい。病院ってちょっと怖くないですか?
実際、これは自分だけでなく、その後見てきた多くの新人MRもやはり「病院は怖いから行きたくない」と言います。
「なぜ、病院恐怖症に陥るのか?」
考えられる理由は以下2つです。
病院恐怖症の理由
- 理由①:専門性が高いから
- 理由②:会うのが大変だから
理由①:専門性が高いから
病院はクリニックと異なり、科ごとに診療科が分かれています。
なので、どうしても専門性が高いと考えてしまい、尻込みしがちです。
病院の部長とかって、なんだかめちゃくちゃ専門的な感じがしません?
ぼくも病院Drと話すときは、
「ムズかしい質問が飛んできそう…」とか「こんな話してよいのかな?」など、必要以上に自分の中でハードルを上げていたことを思い出します。
「いやいや、ぼくは病院の部長だからってまったくビビらないですよ!」
という方は、いい度胸です。その時点でかなり見込みあると思います。ぜひ自信もってください。
理由②:会うのが大変だから
病院のDrは会うのがけっこう大変です。これは開業医と比べるとわかりやすいと思います。
開業医さんの場合、
①:受付さんに名刺を出す
②:診察室(個室)で2人きりで会える
シンプルでハードル低いですよね。
一方、病院Drとの面会方法は③パターンです。
①:医局の廊下で歩いているDrをつかまえて話す
②:アポイントをとって病院内で面会する
③:アポイントを取ってWEBで面会する
どれも勇気が必要だったり、会うまでにひと手間必要でハードルがあります。
とくに、「①:医局の廊下で歩いているDrをつかまえて話す」は、なかなかハードル高く感じないでしょうか?
そして、まわりには競合MRがギラギラした視線をこちらに向けています。ぼくも今でこそ、まわりの目など気にせず、ガンガン歩いているDrにアタックできるようになりましたが、3年目くらいまではその勇気が全く出ませんでした。
「病院は怖くて行きたくない…」
「病院活動のヒントがほしい」
そんな方はこちらの記事をご覧ください。ぼくが病院恐怖症を克服した具体的な方法、マインドについてご紹介しています。≫【MR1年生向け】病院恐怖症を克服するたった一つの方法【簡単】
MR1年目は病院が怖い。
これまでの内容をいったんまとめさせていただきます。
MR1年目「つまづきやすい4つのポイント」
- ①:知識不足で、話がついていけない
- ②:MSさんが冷たく卸に行きたくない
- ③:Drと何を話してよいかわからない
- ④:開業医は良いけど病院のDrが怖い
もし、上記の悩みにぶちあたったときは、それぞれの克服法に関する記事もぜひご参照下さい。
Q&A
それではここからMRに関するよくある質問について紹介させていただきます。
Q、MRは楽すぎと聞きますが本当ですか?
結論、昔は多少楽も出来たけど、今はまぁまぁしんどいです。
というのも、デジタル化が進みあらゆるものが管理されるようになりました。なので、決して楽ではないです。
とはいえ、ひとたび自宅を出ると誰の目にも触れず働くことができる自由さは健在です。
その他、「MRが楽と言われる理由」や、「MRになったのに楽をするのはもったいない」といった話をこちらの記事で紹介させていただいております。合わせてどうぞ。≫【製薬会社のMRは楽すぎ】と言われる3つの理由「楽をするコツも解説」
Q、知り合いに「MRはやめておけ」と言われました。実際どうなのでしょうか?
もしかするとこの記事をご覧の方には、これからMRを目指されている方もいらっしゃると思います。
MRの将来性が厳しいのは事実です。「MRの将来性」についてはこちらの記事でくわしく考察しています。
一方、世間では「MRはオワコン」とも言われていますが、ぼく個人としては逆説的な考えを持っており、今こそMRになるべきと考えています。
まわりの方とはきっと違う意見になると思いますが、こちらもぜひご覧ください。≫【逆説】今こそ製薬会社MRになるべき【ノマドMRが快適すぎる】
Q、MRは、本当は稼げますか?
はい、MRは圧倒的に稼げます。
メーカー職では一番とも言われ、30代で1000万も狙えます。夢があります。
「MRの稼ぎ」についてはこちらの記事でくわしく解説しています。合わせてどうぞ。≫【とにかく稼ぎたいあなたへ】MRは圧倒的に稼げる仕事です【夢がある】
「MR1年目は辛い」:まとめ
この記事では、MR1年目がつまづきやすいポイントとその解決策について、筆者からの”おせっかいなプレゼント”としてお伝えさせていただきました。
本記事の内容をまとめさせていただきます。
- MR1年目はもっとも辛い時期で辞めてしまう新人も少なくない。
- つまづきやすいポイントは今も昔も変わらない。全部で4つ。
- 最初は知識不足で話についていけない。inputの積み重ねが大切。
- MSさんにもなかなか相手にしてもらえないので、卸に行きたくない。
- Drと話すネタに困る。引き出しを増やすためにはDrを知ることが大切。
- 最初は開業医より、病院が怖い。病院恐怖症を一日も早く克服しよう。
MRは楽な仕事ではないですが、この4つのポイントを克服することで、ストレスは徐々に減り、働きやすくなります。
最後に宣伝です。
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